富士山は文化遺産に登録されたということが面白い。日本の登山のひとつの源流は山岳信仰なんです。それが大衆化する過程で富士講になったり、御嶽講になっていったんですね。それは僕は観光という言葉にかなり近しいと思っています。お伊勢参りが年1回の観光旅行だったように、御嶽講の人たちも会うと本当に楽しそうに年中行事として御嶽に登ってるんですよ。 ヤマケイ的な登山というのは、近代ヨーロッパから入ってきたちょっとスノッブな人たちがはじめたもの。でも日本の登山というのは、神聖であると同時に俗世界の文化も反映されてきたものだと思う。 僕が“文化”で一番嫌いなのは、昔から現在までつながっている話のはずなのに、それが分断して語られるところなんです。「江戸時代は素晴らしい文化がありました」って言うんだけど、それじゃあ面白くない。富士山に関しては、江戸時代に行なわれていたことが、少しずつ時代とともに変わっていき、現代につながっている。以前博物館で江戸時代の地図を見せてもらったんですが、今と同じような富士登山が描かれているんですよ。脈々と続いた歴史と文化の断片が富士山ではすごく感じられる。
<富士山を10倍楽しむ方法> 神谷有二 「世界遺産を深く知るなら百名山に登るべし」(2/3) - Number Web : ナンバー

 富士山は文化遺産に登録されたということが面白い。日本の登山のひとつの源流は山岳信仰なんです。それが大衆化する過程で富士講になったり、御嶽講になっていったんですね。それは僕は観光という言葉にかなり近しいと思っています。お伊勢参りが年1回の観光旅行だったように、御嶽講の人たちも会うと本当に楽しそうに年中行事として御嶽に登ってるんですよ。

 ヤマケイ的な登山というのは、近代ヨーロッパから入ってきたちょっとスノッブな人たちがはじめたもの。でも日本の登山というのは、神聖であると同時に俗世界の文化も反映されてきたものだと思う。

 僕が“文化”で一番嫌いなのは、昔から現在までつながっている話のはずなのに、それが分断して語られるところなんです。「江戸時代は素晴らしい文化がありました」って言うんだけど、それじゃあ面白くない。富士山に関しては、江戸時代に行なわれていたことが、少しずつ時代とともに変わっていき、現代につながっている。以前博物館で江戸時代の地図を見せてもらったんですが、今と同じような富士登山が描かれているんですよ。脈々と続いた歴史と文化の断片が富士山ではすごく感じられる。

<富士山を10倍楽しむ方法> 神谷有二 「世界遺産を深く知るなら百名山に登るべし」(2/3) - Number Web : ナンバー